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がんばれダルマ! [高崎エッセイ]

我が郷土高崎の駅弁といえば、「だるま弁当」である。
信越本線横川駅の「峠の釜飯」と並んで、昔から上州の二大看板弁当であった。

父親がお昼時の会議に出席した際、出された「だるま弁当」。
久しぶりの「弁当」を覗き込んで、その貧相さに驚いた。
時々食べる機会のあった「峠の釜飯」は、現在でも益子焼の釜を使い、昔からの味や内容にその品質を維持しようとする姿勢が窺われ、価格のアップも仕方がないと思わせる。
しかし、安っぽいプラスティックの「容器」に入った「だるま弁当」のおかず類には、そういった向上心のかけらも感じられない。美しく並べられた釜飯の具を見慣れた自分には無造作に置かれただけに見える具に製造者の心が感じられない。
これに900円!というとんでもない価格を設定する無頓着ぶりには呆れてしまう。

「峠の釜飯」の製造・発売元である「おぎのや」は、横川駅の利用客減に備え、かなり以前から駅近くのドライブインや高速道路のP.A、その他新しい販路の開発など経営努力を惜しまなかった。加えて、益子焼の陶器にこだわり、プラスティック容器に安易なコスト削減を求めるような愚挙に至らなかった。

「だるま弁当」の製造・発売元である「たかべん」は、高崎駅構内での駅弁販売を独占してきた。その他、駅構内における食堂や居酒屋等の経営にも手を出しているが、その業績は間違っても好調とは言えない。ただただ鎖国状態の構内販売と営業権でぬくぬくと生きながらえてきただけなのだ。

ところが国鉄からJRになり規制緩和が暫時広がり駅構内にも各一般企業が進出してきた。
「たかべん」の有力商品「とりめし」に対して県内の一般企業「とり平」の「とりめし」が同じ駅内(ホームでは売れない)でついに販売を始めるほどになった。残念ながらこの弁当に関してもその差は歴然としているのだ。
私にとって懐かしい包装紙に包まれた「たかべん」「とりめし」の将来も不安である。

新春の「だるま市」と言えば高崎なのに、最近では前橋の「初市」に客を奪われてしまっているようだ。いずれにしろ既得権を持つ古い体質が全てのシステムのクオリティ低下を招いている事実を変えていかなければ、ダルマ=高崎に未来はない。


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コメント 2

クロヒコ

自分もだるま弁当の味はちょっとアレだなと思ってました。駅そばもアレだな、とは思っていたのですが、なるほど同じ会社だったんですね。
以前、碓氷峠を旧中仙道を歩いて越えてみたのですが、横川の駅で買って、峠で食べた「峠の釜飯」は本当に美味しかったです。そりゃもう重かったのですが…。
いつ食べても「おいしい」って思える食べ物は嬉しいもんです。
全体的に最近の駅弁の味の進化には目を見張るものがありますが、会社によって差もあるみたいですね。
勉強になりました。
by クロヒコ (2006-07-17 14:44) 

quatre-l

コメントありがとうございました。
「おぎのや」の釜飯は常に安定した品質で味も満足のいくものだと思います。
中仙道徒歩越えの途中とは、まさに最高のロケーションでしたね。
峠の見晴らし台にある「峠の力餅」も美味しいですね。

私の定点写真にも「たかべん」の看板が写っております。市民としてはぜひ、頑張ってもらいたいところなんですが、、、。

本日も雨の中トマソン探して徘徊しておりました~。
by quatre-l (2006-07-18 00:04) 

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